はじめまして。ここは、日本で暮らす猫たちのことを、日々の暮らしの側から書き留めていく読みものの場所で、名前を猫と畳の図鑑といいます。これから猫を迎えようとしている人、もう一緒に暮らしている人、住まいの形や家族の構成を思い浮かべながら、どの子となら無理なくやっていけるだろうと考えている人に向けて書いています。
扱っているのは、猫種ごとの由来や体格、被毛の手入れにどれくらい手がかかるか、よく鳴くたちなのか静かなたちなのか、遊びに求める量はどのくらいか、といったあたりです。それだけを並べるのではなく、賃貸のワンルームで暮らすのか、庭のある家なのか、家にいるのがひとりなのか、子どもや年配の人がいるのか、そうした条件と重ねて読めるようにしています。どの猫種も同じ形式で書いてあるので、気になる子をいくつか見比べてから、迎えるかどうかを考えられます。
猫がどこから来て、どう登録されてきたのかという話や、猫の登録制度、狂犬病予防接種のような決まりごとの基本も、暮らしの前提として一緒に置いています。むずかしく構えるためではなく、迎えたあとに「これはどうなっているんだろう」と疑問がわいたとき、戻ってこられる場所があるようにと思ってのことです。
書いているのは、猫の爪痕という集まりにいる者たちです。ソファの肘や畳の縁についた爪の跡を、もう模様のつもりで眺めている者ばかりです。何匹もいる家、引っ越しを重ねてきた家、歳をとった猫と過ごす家。それぞれ違う時間を過ごしながら、猫種ごとの性格や手入れの重さを、日々の暮らしの中で見てきました。
ここに書かれているのは、そうした日々の中でたまっていった経験と観察です。特別な設備も、専門の研究室もありません。あるのは、爪を立てられ、毛を掃除し、夜中に起こされ、それでも隣で寝ている、という時間の積み重ねです。
ひとつだけ、はっきりさせておきたいことがあります。ここは動物病院でも、研究機関でも、血統の登録団体でもありません。体調や病気のこと、遺伝的な心配ごとについては、必ず獣医師に相談してください。この図鑑にできるのは、暮らしの側から見えることを並べておくことだけです。最後の一歩は、その家の人が、目の前の猫を見て決めるものだと思っています。
爪とぎの跡、衣類につく毛、明け方の運動会、へこんだ畳。そういう現実も、隠さずに書いていきます。きれいな話だけを並べても、迎えたあとの毎日の役には立たないからです。
読んでいて「うちの場合はどうなんだろう」と思ったら、いつでも声をかけてください。連絡先は [email protected] です。同じように猫と暮らしてきた者として、できる範囲でお返事します。